会長挨拶
平成30年度宮崎県病院薬剤師会総会におきまして、会長を仰せつかりました宮崎大学病院薬剤部の池田龍二でございます。2017年3月に宮崎大学医学部附属病院薬剤部教授を定年ご退職になられた第八代会長の有森和彦先生ご退任後、佐藤智加子先生が第九代会長として執務にあたられ、この度、任期満了に伴う役員改選にて、その後任として会長を務めることとなりました。前会長の有森和彦先生、佐藤智加子先生が築いてこられた歴史と伝統を継承し、今後、社会から求められているニーズに応えることができるよう微力ではございますが、努めていきたいと存じます。
さて、医療を取り巻く環境が急速に高度化・多様化する中で、病院薬剤師の役割も変化してまいりました。近年、低分子有機化合物、抗体や核酸医薬などの治療薬の開発が進み、薬剤師は薬物治療に関連した患者の状況を把握し、適切な対処方法を医師と協議し患者さんに提供することが求められています。また、薬剤師は、チーム医療の中で患者さんに安全で有効な薬物療法を提供する責務がございます。
さらに、病院薬剤師の薬学的ケアの実践の場は、入院患者さんのみならず、外来診察室での薬剤師活動や薬剤師外来の開設など拡大の一途を辿っており、服薬アドヒアランスの評価、薬剤管理指導、処方提案や追加すべき検査項目の提案、薬物療法施行の妥当性、腎機能・肝機能に応じた投与量に関する提案などが求められてきています。また、国は超高齢社会への対応として、地域包括ケアシステムの中で、国民が安心して暮らすことが出来る社会作りを進めています。今後、薬物療法の質の向上を目的に病院薬剤師と地域の薬剤師をはじめとする医療従事者が、これまで以上に情報を共有し連携できる体制を構築したいと考えております。会員の皆様には、今後益々のご支援・ご協力を賜ります様、よろしくお願い致します。
宮崎県病院薬剤師会会長